技術士第二次試験 対策(電子応用)
電気電子部門・選択科目「電子応用」で合格するための対策メモ。公開されている試験制度・ 過去問傾向・論述の型を土台に、積み上げた自分のノウハウを追記していく場所。
実際の論述答案そのものは非公開で練習し、このページには 方法論・型・傾向 といった、公開してよい一般的な内容だけを置く。個別の業務内容・数値・組織名は書かない。
試験の構成(選択科目=電子応用)
筆記は 600 字詰めの論述で、科目ごとに枚数が決まっている(計算問題ではない)。 配点・枚数は公表制度に基づく一般値。最新は 日本技術士会の公表で確認する。
- I 必須科目 — 電気電子部門全体の課題解決。答案用紙 3 枚。部門横断の 社会的課題を扱う。
- II-1 専門知識 — 4 設問から 1 問選択。答案用紙 1 枚。用語・原理の説明。当サイトの「用語」ノートがこの型の練習を兼ねる。
- II-2 応用能力 — 2 設問から 1 問選択。答案用紙 2 枚。業務遂行の段取り。
- III 問題解決・課題遂行能力 — 2 問から 1 問選択。答案用紙 3 枚。 多面的な課題抽出から解決策・残留リスクまで。
- 筆記合格後に口頭試験(技術士としての適格性・コンピテンシーの確認)。
各科目の論述の型
II-1(専門知識)
「定義 → 原理・しくみ → 用途 → 混同されやすい概念との対比」で 1 枚にまとめる。 用語を単に説明するのではなく、規格上の位置づけと、似た概念との違いまで書けると差がつく。
II-2(応用能力)
担当責任者の立場で、業務を遂行する段取りを書く。過去問の定型は(1) 調査・検討すべき事項、(2) 業務手順と各項の留意点・工夫、(3) 関係者との調整方策。技術的な深さと、進め方のマネジメントの 両方を示す。
III(問題解決・課題遂行)
定型は (1) 多面的な観点から課題を 3 つ抽出し、それぞれの観点を明記、(2) 最も重要な課題を選び、複数の解決策を専門用語で示す、(3) 解決策の残留リスク・波及効果とその対応。 観点の異なる 3 課題を出せるか、解決策に専門性を織り込めるかが勝負どころ。
I(必須)
構図は III と同じ「課題抽出 → 最重要課題の解決策 → 新たに生じうる懸念と対策」だが、 テーマは部門横断で、設問 (4) に「技術者としての倫理・社会の持続可能性を踏まえた 要件」が必ず付く(III には無い)。近年は観点を①②③と指定してくる形式や、 「AI 等の支援ツールそのものの解答は除く」「白書・政策の引用は含まない」といった 縛りの明記もあるので、設問の指定を最優先で守る。
論文の書き方(一般)
情報処理技術者試験や技術士など、論述式の資格試験に共通する答案の書き方。 過去の論述式試験で得たノウハウを、技術士二次向けに一般化したもの。
まず最低限を確実に
時間を守る・字数を守る・「聞かれていること」に答える。 この 3 つだけで得点の 4〜5 割は取れる。多くの受験者がここを落とすからだ。 難しい技術論を並べるより、この最低限を確実にやる方がはるかに効く。
国家試験の採点は複数人で行われ、公平性が重視される。だから「時間内に書けているか」 「字数を守っているか」「設問に答えているか」といった、誰が見ても判定できる部分に 配点が寄っていると考えてよい。ここをおざなりにして技術的な記述で字数を稼いでも、 点は伸びにくい。
「聞かれていること」に正確に答える
当たり前だが、ここがずれると大きく失点する。ありがちなズレ:
- 「評価の方法」を聞かれているのに「評価結果」を書く。
- 「課題」を聞かれているのに「対策」を書き始める。
- 「業務全体の概要」を聞かれているのに、細部の技術説明に潜る。
技術士 III で「課題を抽出せよ」に解決策を書き出すのは典型的な失点。書く前と書いている 最中に「何を聞かれ、何を答えるべきか」を自問する癖をつける。
答案を構造化する(章立て)
設問中のキーワードを拾って章立てする。技術士は設問 (1)(2)(3) に各章を対応させ、 1 章の下に小見出しを 2〜3 個、さらにその下を 150〜200 字のブロックに割る。問題文を章 → 小節 → ブロック の 3 層に分解するイメージ。
論全体の展開は 背景・一般論 → 課題 → 原因 → 対策 → 評価 → 影響 を基本形に する。課題には原因を対応させ、対策は 恒久策と直近策(応急) を分けて書くと 厚みが出る。対策の効果を 評価 し、そこから生じる 影響(波及効果) で締める。この流れは I / III の課題解決型にそのまま乗る。
200 字ブロックで準備し、当てはめる
事前に汎用的なブロック(150〜200 字)を書き溜めておき、本番は構造に配置するだけにする。 1 ブロック = 1 トピック(長すぎると流用が効かない)。ブロックの型は結論 → 理由 → 具体 → まとめ で、これで概ね 200 字になる。
技術士なら「課題」「観点」「解決策」「残留リスク」「評価方法」などをブロック化しておく。 II-1 は用語を「定義 → 原理 → 用途 → 対比」でブロック化する——これは当サイトの用語ノートが そのまま練習になる。
事前準備(実務の棚卸し)
II-2 は業務ベースで書く。性質の異なるテーマを 2〜3 個用意しておく(1 個だと設問次第で 何も書けなくなる)。各テーマでブロックを洗い出し、実際に 150〜200 字で書いて引き出しを 増やす。過去問を解く前に、まず引き出しを作る。III は与えられたテーマを分析する型なので 準備物が異なる(下記)。
III(問題解決)特有の攻め方
III は与えられた社会課題(橋梁の IoT モニタリング、食品ロス、在宅医療など)を、その場で 分析する。業務ベースの II-2 と違い、事前に用意した業務ブロックは嵌まらない。準備するのは 業務ネタではなく「観点の引き出し」と、未知テーマで課題を抽出する練習。
- 観点のレパートリーを用意する。 技術・経済・社会・環境・安全性・人材・ 持続性・制度といった多面的観点を 6〜8 個ストックしておき、未知テーマでも「観点の異なる 課題を 3 つ」即座に出せるようにする。設問 (1) は「それぞれの観点を明記」を求めるので、 課題は観点が重ならないように選ぶ。引き出しは観点ごとにページを用意した(多面的観点の引き出し)。
- 解決策に専門技術用語を織り込む。 設問 (2) は「専門技術用語を用い」と 明記する。電子応用の専門性(センサ、信号処理、EMC、信頼性・機能安全など)を絡めて解く。 一般論で終わると「専門的学識」の加点を落とす。
- 設問 (3) は必ず残留リスク・波及効果を書く。 「解決策を実行して新たに 生じる問題」という視点で、解決策の裏返しを一つ用意しておく。典型パターンは引き出しに まとめた(リスク・波及効果の引き出し)。
練習は、過去問の社会課題テーマで「観点 3 つ → 課題 → 解決策 → リスク」の骨子だけを数多く 回す。完全答案を 1 本作るより、未知テーマで骨子を組む場数の方が III には効く。ここが II-1・II-2 の型だけでは埋まらない、III 特有の勝負どころ。過去問のテーマは社会課題テーマの収集にまとめた(電子応用での絡め方つき)。
文体と言い回し
- 「である」体で統一する。 だ・である調と敬体を混ぜない。
- 断定的に言い切る。 曖昧に濁すと減点されやすい。ただし断言しきれない 事項は「一般的に」「〜とされている」「〜など」で一般化し、逃げ道を作った上で言い切る。
- 「こと」「もの」で対象をぼかさない。 何を指すのかを具体名で明記する。
- 箇条書きも数量で語る。 定性表現で終えず、可能なら件数・割合・桁などの 数量を添える。
手書きで練習する
本番は手書きで、大幅な修正が効かない。書き始める前に構成を固める必要がある。この 「変更が効かない緊張感」を、一度は手書きで体験しておく。構成力そのものの訓練にもなる。 分量感の目安として、1 小節 ≒ 150 字 ≒ 手書き 7〜8 行。行数で残り分量を 把握できると本番で配分を誤らない。
採点者の視点で添削する
自分の答案を客観的に見直す。観点は、聞かれたことに答えているか/字数は指定内か/その分野の 採点者なら誰が読んでも理解できるか。さらに、採点基準になりそうなキーワードを 自分で 5 個以上想定し、それらが答案に現れているかを確認する。検討内容が社会的受容性・技術者倫理に触れているかも見る(特に I の設問 (4))。
技術士二次で意識する違い
情報処理より分量が大きく(I + II + III で計 5000 字超、III だけで 600 字 × 3 枚)、範囲も 広い(電子応用は高周波・デバイス・計測など)。加えて採点はコンピテンシー(専門的学識・ 問題解決・評価・コミュニケーション等)で見られる。「型」を守った上で、これらを示せているかを 意識する。
当日の時間配分(当日メモ)
試験時間は午前が I で 2 時間、午後が II と III を合わせて 3 時間 30 分(例年 10:00〜12:00 と 13:00〜16:30。時刻は受験票で確認する)。午後は配分が受験者に任されるので、科目ごとの終了時刻を先に決めておく。
| 科目 | 枚数(字数) | 配分 | 時刻の目安 | 内訳 |
|---|---|---|---|---|
| I 必須 | 3 枚(1800 字) | 2 時間 | 10:00〜12:00 | 選択・骨子 25 分 → 記述 85 分 → 見直し 10 分 |
| II-1 | 1 枚(600 字) | 30 分 | 13:00〜13:30 | 選択・骨子 5 分 → 記述 25 分 |
| II-2 | 2 枚(1200 字) | 1 時間 | 13:30〜14:30 | 選択・骨子 10 分 → 記述 50 分 |
| III | 3 枚(1800 字) | 2 時間 | 14:30〜16:30 | 選択・骨子 25 分 → 記述 85 分 → 見直し 10 分 |
1 枚あたりに直すと I と III が 40 分、II が 30 分。考える量の多い I・III に厚く、 知識と段取りで書ける II を速く、という配分になる。午後は合計でちょうど 3 時間 30 分を 使い切るので、予備時間は無い。各科目の枠の中に見直しを含め、枠そのものは 延ばさない。
3 枚科目の通過時刻
I と III は記述 85 分で 3 枚、1 枚あたり 28 分前後。遅れに早く気づけるように、 枚ごとの通過時刻を決めておく。
| 科目 | 書き始め | 1 枚目終わり | 2 枚目終わり | 3 枚目終わり | 終了 |
|---|---|---|---|---|---|
| I | 10:25 | 10:55 | 11:20 | 11:50 | 12:00 |
| III | 14:55 | 15:25 | 15:50 | 16:20 | 16:30 |
当日のルール
- 時刻が来たら未完でも次へ進む。 13:30 で II-1、14:30 で II-2 を打ち切る。 選択科目は II と III の合計で判定され、配点は II が 30 点、III が 30 点。1 枚の重みは どの科目もほぼ同じなので、1 枚の最後の数行を整えるより、次の科目の骨子に時間を使う方が 得点になる。II の超過はそのまま III の骨子時間を削る。
- 骨子が固まるまで書き始めない。 手書きは構成の変更が効かない。章立てと 各ブロックの要点、字数の割り振りまで問題用紙の余白に書いてから答案用紙に移る。
- 記入欄を最初に埋める。 受験番号・技術部門・選択科目・問題番号は、 答案用紙を開いたらすぐ書く。最後に回すと時間切れで漏れる。
- 見直しは形式面だけにする。 誤字・脱字、問題番号、設問 (1)(2)(3) への 対応、最終行まで埋まっているか。内容の書き直しはしない。
- 解答の順番は自由だが、II-1 → II-2 → III を既定にする。所要時間の読みやすい 科目を先に時刻どおり終わらせ、残りをすべて III に渡す。
採点で見られる資質(コンピテンシー)
論文は知識量ではなく、技術士に求められる資質を示せているかで評価される:専門的学識、 問題解決、マネジメント、評価、コミュニケーション、リーダーシップ、技術者倫理 (継続研さんは主に口頭試験で確認される)。科目ごとに確認される資質が割り当てられており、 各設問はこれらのいずれかを問うている、という視点で問題文を読む。
電子応用の頻出傾向(過去 7 年・II-1)
- 高周波・無線系がほぼ毎年:検波、インピーダンス整合、SAW/BAW、 光変調器、LNA と VNA 測定、レーダーなど。
- センサ・計測系が年 1 問:ジャイロ(MEMS)、サーミスタ、超音波探傷、 サーモグラフィ、A/D 変換器の指標など。
- デバイス・回路・電源・制御も循環:MOSFET/GaN、バリスタ、PLL、 チャージポンプ、PID など。
- 「比較せよ」形式が多い。対比の軸をあらかじめ用意しておくと強い (当サイトの用語ノートはこの狙い)。
自分のノウハウ
以下は追記用の見出し案。中身は順次埋める。
学習の進め方・スケジュール
購読誌の読み方と記録は 定点観測法 に。
筆記は例年 7 月中旬。逆算して 1 年計画を組む。知識のインプット(導出・用語ノートの更新)は 細切れでも進むので通年で回し、まとまった時間を要する論文演習は稼働に余裕のある 時期に厚く配置する。可処分時間が少ない時期は無理に演習量を積まず、ノート更新と 骨子起こしで手を止めない。
| 年 | 月 | 主な作業 |
|---|---|---|
| 2026 | 8 | 定番書(『技術士第二次試験 論文の書き方』最新版)を通読。既読なら版の差分を重点確認。 導出・用語ノートで知識を更新。業務詳細(720 字)の初稿に着手。 |
| 9〜10 | 導出・用語ノートの更新を継続(細切れで進む作業を主軸)。業務詳細を推敲。論文は骨子起こし中心(観点 3 つ → 課題 → 解決策 → 残留リスク)。 | |
| 11〜12 | 論文演習を開始(隔週〜週 1 問、AI で添削)。12 月に方針見直し。 受験に必要な業務経歴の証明など勤務先への協力を依頼。 | |
| 2027 | 1〜2 | 週 1 本の論文演習を本格化(AI 添削)。配点の重い III を厚めに回す。導出・用語の更新を継続。 |
| 3 | 受験申込書類を作成(業務経歴票・詳細業務を確定)。論文演習を継続。 | |
| 4 | 受験申込(例年 4 月上旬〜中旬受付・締切厳守)。演習継続。 | |
| 4〜7 | 週 1 本の演習を維持。外部講座・添削サービスで仕上げ。直前期は時間内の手書き通し練習(II-1 の 1 枚速記を含む)。 |
論文の 1 問は I / II-2 / III を巡回するが、配点が大きく差のつきやすい III の比率を上げる。知識面は当サイトの 導出・用語ノートを増やすこと自体が インプットを兼ねる(社会課題テーマ・観点・リスクの引き出しは III 演習の下地)。
弱点科目とその対策
(未記入)
業務経歴票の方針
(未記入。※個別の業務内容・組織名は書かない) 一般的な方法論は 業務経歴票・詳細業務の書き方 に。
口頭試験の想定問答
(未記入)